「LTサーキット? 何それ?」と言うことなんでしょうね? 「今月は何キロ走った・・」「今月の残りの3日で〇〇K走ろう・・」なんて考えている人には、まるで無縁なトレーニングなんでしょうねえ。
ところが、今一般の市民ランナーに最も欠けている走ること。必要な基礎体力を養い、修正していくトレーニングがあるからこそ、個々のランナーのレベルアップにつながるということを、いったいどの程度の数の市民ランナーが知っているのか? ここに身体の土台をしっかりと組み直す、素晴らしい体幹補強トレーニングがあるのです。それが本日根岸で行った『RUN☆TMヨコハマ』のLTサーキットというトレーニングでした。
注)LTとはLactate Thresholdの略で、「乳酸性作業閾値」と訳されている。
組み立ては、1Kコースでのビルドアップ⇒腕立て伏せ⇒腹筋⇒スクワットと、いたって筋トレとしては一般的な初歩的な方法で行うもの。本来のLTサーキット、レベルのもっと上のランナーが行うものはかなりタイトなものとなる。しかしこの日は2、3のランナーを除いてはほぼ全員が初めて取り組む目新しい内容。この日の参加者18名の中には初めて根岸に参加されたランナーが女性ばかり4名も含め、女性参加者が10名。こうなるといつものランニングスタイルと大幅に変わるこのトレーニングをメニューにして表すことに、かなりな神経を使わなければならなかった。顔ぶれで咄嗟にトレーニング内容を微調整しなければならないことにも、リーダーとしての手腕が問われるところ。
そこで、1Kビルドアップはいつもの感覚よりペースを落としてラクに走ってもらい、サーキットを男性は1K走から次の1K走までの間に上記3試技を一度に各10回の反復とし、女性は1周ごとに膝を付いての腕立て伏せ、次の周回後には傾斜の上に上体(頭部)を置いてのラクな体勢での腹筋。そして次もやはり走って来た後にハーフスクワット10回、そしてまた次の周回を終えては膝着きスクワット~・・・。
男女とも1時間を継続して行ってもらった。それも各自の給水休憩などもはさみ無理することなく・・・。
このトレーニングの意味するところは、静止した無酸素状態での筋トレと異なり、そこに有酸素運動(走り部分)が加わることにより、走りながらも無酸素状態に強くなることを念頭に置いている。こうした状態が作り出す効果はフルマラソンの後半の、特に30K以降の乳酸の発生を最小限に抑え、終盤になってもバテない基礎走力を作り上げることにつながってくる。
見ていると、この集まりでもトップクラスに位置するランナーが意外に基礎体力が出来ていなかったり、初心者に近い女性がしっかりとした動作を平然とこなしていまうなど、意外な潜在能力の違いを垣間見ることができた。指導側に立っての見方からすると、非常に参考にもなったし、思わぬ潜在能力を持ったランナーを発見する源にもなったように思う。 ちょっと今日のコメントは理論的になりすぎて、読んでくれた皆さんまでもが疲れたでしょ? イヤ失礼しました。(ついアタマがイイもんで・・?)スミマセン! 牧元